教科書のご案内
山川出版社の歴史総合
新しい学習指導要領が提示する「歴史総合」の学習に向けて、「歴史の山川」として3つの教科書をご用意しました。様々な授業スタイルを想定したそれぞれの教科書の特徴をご紹介いたします。
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歴史総合
近代から現代へ
現代の歴史総合
みる・読みとく・考える
わたしたちの歴史
日本から世界へ
歴史総合 紹介動画

歴史総合 近代から現代へ

編者・著作者
[著作者]
  • 岸本美緒お茶の水女子大学名誉教授
  • 鈴木淳東京大学教授
  • 池田嘉郎東京大学准教授
  • 老川慶喜立教大学名誉教授
  • 勝田俊輔東京大学教授
  • 小松久男東京大学名誉教授
  • 島田竜登東京大学准教授
  • 古川隆久日本大学教授
  • 牧原成征東京大学准教授
  • 小豆畑和之東京都立西高等学校教諭
  • 仮屋園巌東京都立国立高等学校教諭
  • 中家健東京都立小石川中等教育学校教諭
  • 野﨑雅秀東京大学教育学部附属中等教育学校教諭
  • 松本英治開成中学校・高等学校教諭
メッセージ
編者
岸本美緒
きしもとみお
お茶の水女子大学名誉教授

 高校の必修科目として新しく設けられた「歴史総合」とは、近現代を中心に日本史と世界史とを結びつけて学ぶ科目ですが、その具体的な内容はどのようなものになるのか、先生方や高校生の皆さんには、期待とともに一抹の不安もあるかもしれません。本書は、従来の日本史・世界史教科書のスタンダードな記述の安定性や正確性といった長所をできるだけ保持しながら、世界史の大きな脈絡の中で日本 史の展開を理解できるよう、両者を有機的に結びつけることを目指して編集されました。「歴史総合」の新たな特色として「思考力」を重視することが挙げられますが、本書の各部・各節の冒頭や本文の随所に提示された問いは、歴史の流れを把握する助けとなるよう、それぞれ工夫したものです。これらの問いは、性急な解答を求めるものでは必ずしもなく、授業の焦点を明らかにしてメリハリをつけるという意味も持っています。

 歴史総合の学習は、本書の中だけで完結するものではありません。日ごろ新聞やテレビ、インターネットなど様々なメディアを通じて入ってくる情報を、自分の頭で考えながら生き生きした知識として身につけ、現代の問題を世界史的な視野のもとで深く理解できるようになる――そのような信頼できる大人になることを目指す若い方々にとって、本書がその入口の1つとなることを念願しています。

 
編者
鈴木淳
すずきじゅん
東京大学教授

 歴史総合は、現代的な諸課題につながる近現代の日本と世界の歴史を学びながら、歴史的なものの見方、考え方を身につける科目です。新型コロナウイルスの流行でも改めて確認させられたように、日本と世界はつながって、同じ歴史をつくっています。近現代は世界大戦をはじめ、政治や経済、そして伝染病をも伝えてしまう人々の動きまで、世界が一体化を深めて来た時代です。日本の歴史も世界との関係の中でとらえ、また他の国や地域と対比することで意味がはっきり見えてきます。そのような歴史のとらえ方は、自分たちが何者であるかを理解するとともに、国外の様々な背景を持った人たちを理解する上で重要です。

 日本史に関して、この教科書では近現代史のあらましを学びますが、世界との関係を重視し、また他の国や地域と対比しやすいかたちでの叙述を試みています。そして、知識を得るだけではなく、なぜそうなったのだろうと問いを立て、自分で歴史的事実の確かさや順序、相互の関連を見きわめ、それに基づいて説明を考える機会を得られるよう工夫しています。そのような学習を通じて、現代的な諸課題の解決の手段として歴史的背景の理解や過去の経験を生かす力をつけ、また見方が違う人とも事実に基づいて話し合うことで、なぜ違うか理解を深めて共存への道を探れることを学んでもらいたいと思います。そして、歴史への関心がより古い時代を含めた探究の学習につながることも期待しています。

この教科書の特徴
教科書の特徴
  • 1
    歴史の流れを詳述、信頼できる内容
    • 全体を時系列的に取り扱い、歴史的なできごとの背景や因果関係が理解しやすくなるように論理的な記述を心掛けました。
    • 本文を充実させ、思考・判断・表現のベースとなる知識が得られるようにしています。
  • 2
    日本史探究・世界史探究とのつながりを意識
    • 日本史探究・世界史探究の学習へのつながりを意識し、日本史分野・世界史分野の記述量が偏らないよう、バランスに配慮しました。また、日本と世界のつながりを重視した記述としました。
    • 冒頭に「参考資料」として「諸地域世界の形成」を設けています。東アジア、南アジア・東南アジア・西アジア、ヨーロッパの各地域世界ごとの風土や歴史について、見開きで簡潔に解説しています。
  • 3
    歴史の着眼点となる問いかけを設定
    • 歴史的なできごとの主体や目的、背景、意味、影響などについて生徒が着眼点をもって本文を読めるように、節の冒頭や本文の途中に考察をうながす問いを設けました。
細かな編集ポイント
教科書紹介動画

現代の歴史総合 みる・読みとく・考える

歴総708
AB判 262ページ
深める歴史 テーマ・資料・問いで考える
  • 主体的で深い学びの実現に最適
  • 教科書の豊富な図版とデータ教材との連携が効果的
編者・著作者
[著作者]
  • 久保文明東京大学名誉教授・防衛大学校長
  • 中村尚史東京大学教授
  • 小田中直樹東北大学教授
  • 塩出浩之京都大学教授
  • 島田竜登東京大学准教授
  • 守川知子東京大学准教授
  • 吉澤誠一郎東京大学教授
  • 荒木圭子東海大学准教授
  • 島津聡東京都立八王子東高等学校教諭
  • 高橋哲渋谷教育学園幕張中学校・高等学校教諭
  • 津野田興一東京都立立川高等学校教諭
  • 藤本和哉筑波大学附属高等学校教諭
  • 山川志保お茶の水女子大学附属高等学校教諭
メッセージ
編者
久保文明
くぼふみあき
東京大学教授

 「歴史総合」は、近代・現代を中心に、日本と世界の歴史両方を関連づけて学ぶ新しい科目です。

 日本に住む若者として日本の最近の歩みを正確に知っておくことの重要性は、改めて指摘するまでもありません。なぜ明治維新や真 珠湾攻撃は起きたのか。どのようにして民主主義が定着し、また繁栄を得たのかなど、知っておくべきことは数多く存在します。

 同時に日本の歩みは世界の動きと深く結びついています。ペリー来航、日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・第二次世界大戦など、 昭和(世界大)恐慌など、例を挙げればきりがありません。第二次世界大戦終戦後も、占領、冷戦とその終結、2008年の金融危機、最近 の新型肺炎問題など、海外とのつながりをもった事例はほとんど無数に存在します。日本が影響を受けた場合もあれば、日本が影響を 与えた場合もあります。

 日本人が感じている以上に、日本が海外に様々な形で影響を及ぼしていることがあります。第二次世界大戦終了前までは軍事的な影 響力もありましたが、その後は経済、文化、政治などさまざまな側面で、海外に影響を及ぼしてきました。

 現代史は、現段階での人間の歴史の到達点です。同時に、歴史は今この瞬間にも作られています。人間は、そして日本は、これまでに何を達成したのか、これからさらに何を実現すべきなのか、 そしてどの方向に歩んでいくべきなのか。本教科書が、皆さんにとって、少しでもこのようなことを考える手がかりになれば幸いです。

編者
中村尚文
なかむらなおふみ
東京大学教授

 『現代の歴史総合』は、高校生の皆さんに、歴史的思考を身につけていただくための教科書です。

 歴史的思考とは、歴史的な事象を総合的・俯瞰的にとらえ、ある時代の歴史像を構築することを目指す思考方法です。この目的に接近するためには、一つ一つの史実の歴史的な背景や意義を、時代の全体状況をふまえて把握することが必要となります。歴史的思考は、過去だけでなく、現在の時代状況を的確に把握するためにも有用です。それは、不確実性が増しつつある今を生き抜くために必要なスキルと言い換えることもできます。そして、このスキルを身につけることは、私たちが歴史を学ぶ最大の目的でもあります。

 歴史総合では、近代・現代に焦点をあて、世界と日本の歴史を密接に関連付けながら学んでいきます。この教科書では個々の歴史的出来事の理解を前提として、その背景や意義を立体的にとらえるための多くの問いをちりばめました。各単元では、世界史と日本史の融合をはかり、世界とその中の日本という視点で、それぞれの時代の全体像をとらえられるようになっています。時代の流れを縦軸、同時代的な国際関係を横軸とする主題学習によって、年表や用語の暗記ではなく、能動的に歴史像を構築する力を身につけていただきたいと考えています。

 能動的な学びによって獲得した歴史的思考は、私たちに正確な現状認識と、次の一歩を踏み出す勇気をもたらすに違いありません。

この教科書の特徴
教科書の特徴
  • 1
    導入からまとめまでの、流れが分かりやすいレイアウト!
    • 全体を44のテーマに分け、各テーマは4ページまたは6ページで構成しました。
    • 本文は適切な文章量で簡潔にまとめられているため、資料の読みときに多くの授業時間を割り当てられます。
    • そして、本文は、日本と世界が総合に関連していることを意識できることを意識できるような記述を心がけました。
  • 2
    資料集に匹敵する、約1000点の資料を掲載
    • バリエーション豊富な資料で、授業準備を全面サポートします。
    • 地理的な理解に欠かせない地図や、日本と世界を比較できる年表もテーマごとに多数掲載しています。
  • 3
    テーマへの理解を深める、約900の問いを掲載
    • テーマの目標となる大きな問いから各資料に付した小さな問いまで、様々な学習活動に沿った問いを設定しています。
    • 順番に取り組むことによって、テーマが深く理解できる仕組みになっています。
    • 問いは、適宜選択しグループで取り組んだり、生徒同士で意見交換することを想定しています。主体的・対話的で深い学びを実現します。
細かな編集ポイント
教科書紹介動画

わたしたちの歴史 日本から世界へ

歴総709
AB判 182ページ
見開き47テーマ ビジュアルで楽しく学ぶ
  • 実社会に即した教養として実のある学習に最適
  • 身近なテーマと、巻末の用語解説でわかりやすい
編者・著作者
[著作者]
  • 市川大祐北海学園大学教授
  • 長井伸仁東京大学准教授
  • 吉澤誠一郎東京大学教授
  • 板垣暁北海学園大学教授
  • 守川知子東京大学准教授
  • 渡邉宏明城中学高等学校教諭
  • 澤野理神奈川県立逗子高等学校教諭
  • 中山拓憲神奈川県立湘南高等学校教諭
  • 福本淳栄光学園中学高等学校教諭
  • 丸山優介東京都立翔陽高等学校教諭
  • 安田智昭三輪田学園中学校・高等学校教諭
メッセージ
代表者
長井 伸仁
ながいのぶひと
東京大学准教授

かつて、「世界史は必ずしも幸福の地盤ではない。幸福な時期とは世界史における空白なページである」と述べた思想家がいました。たしかに、歴史の教科書には「空白なページ」などありませんし、書かれているできごとには戦争、経済危機、さらには疫病など、不幸というほかないことがめだちます。

とはいえ、そうした苦難を人類がなんとか乗り越えてきたのも事実であり、歴史の教科書はそのような視点からも読むことができます。危機のときに人々がどのように対応したのか、そこからどのような教訓を得たのか、そして、つぎに同じようなことがおこったときにその教訓を生かせたのかどうか、などが浮かび上がってくるはずです。現実には、解決されないまま課題として残っている問題は数多くあり、誰もが今後、そうした課題になんらかのかたちで向きあう必要があります。この教科書は、そのようなときに過去のできごとを思い出してもらえればと願いながら、執筆しました。事項はしぼりつつも重要なことは網羅し、また思い出しやすい記述になっているはずです。

教科書のどのページを開いても様々な人物が登場します。生没年や業績とともに詳しく説明される人から、写真の片隅に写る名もなき人まで、だれもが「歴史上の人物」です。不幸や苦難をもたらした人もいれば、そこに巻き込まれ流されつつも懸命に生きようとした人もいます。歴史の教科書は、そのような有名無名の人々の記録でもあります。

今を生きる私たちも、もしかしたらはるか未来の教科書の片隅に写って、思いを馳せられているのかもしれません。そのときでも、教科書に「空白なページ」はないでしょうが、「幸福な時期」がこれから増えていくことを願っています。

著作者
澤野 理
さわのおさむ
神奈川県立逗子高等学校教諭

私たちの生きている現代の世界は、ある日突然にあらわれたのではありません。過去におきた様々なできごと―それは人によるできごとだけでなく自然の力によるできごともあります―のうえに現代の世界があるのです。歴史を学ぶということは、過去のできごとについて学ぶことを通じて、現代の世界の成り立ちや諸問題をみつめ、未来をよりよい世界とするための道筋を考えることといえるでしょう。歴史総合は、現代の世界とのつながりや影響の強い近代・現代の歴史について、日本の歴史と世界の歴史を同じ科目で学びながら、それぞれのできごとを比べたり、おたがいのつながりや影響を考えたりすることをめざしています。そのためには、単純に歴史用語を暗記するだけではなく、それぞれのできごとについて、「いつ」「どこで」「どのようにして」、そして「なぜ」というような「問い」を自分から発する姿勢をもちながら学習することが重要となります。とはいえ、誰もがいきなり自分なりの「問い」を立てるということは難しいでしょう。この教科書では、高校生のみなさんが様々な「問い」をみずから立てられるようになることをめざしてつくられています。最初は、教科書の問いについて考えるだけで精一杯となるかもしれませんが、学習を進めていくにしたがい、自分なりの「問い」や答えを考えられるようになるでしょう。

この教科書での学習を通じて、現代の世界について主体的に考え、そして、よりよい未来のために行動できる人間となるための基礎力を高めてほしいと願っています。

この教科書の特徴
教科書の特徴
  • 1
    厳選された見開き2ページ完結の47テーマ
    • "歴史総合を学ぶにあたって、これだけは押さえてほしい!という47テーマ
      (1テーマは見開き2ページ完結)で構成しています。"
    • テーマを通して本文の分量を統一し、図版などの資料や問いかけの点数を精選しています。2単位で余裕をもった授業展開ができるので、アクティブラーニングなども取り入れやすいです。
    • シンプルな構成と内容で、ご専門ではない先生にも扱いやすい教科書となっています。
  • 2
    現場目線の楽しい工夫
    • 各テーマを高校現場で教える先生が執筆し、授業で活用しやすい要素を多く取り上げています。
    • 楽しく学べるやさしい文章を心がけました。地図や写真など図版も大きめに掲載しました。
  • 3
    身近な歴史から世界をみる
    • 身近な話題が豊富。学校、給食、映画、野球、SDGsなど、生徒にとって身近に感じられるものを随所に盛り込んでいます。
    • 歴史の流れや出来事のつながりを重視し、平易でわかりやすい記述を心がけました。
    • 巻末の用語解説では生徒にとってなじみが薄いと思われる用語を取り上げて解説しています。
細かな編集ポイント
教科書紹介動画
歴史総合のサポート体制
  • 指導書付属データ集
    指導書付属データ集
    付属データ集DVD-ROM 収録コンテンツ一覧
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    • 教科書本文テキストword
    • 教科書掲載地図・図版jpeg
    • 授業用スライドppt
    • 準拠テスト例word
    • 準拠ノートPDF
    • 年間指導計画例
    • 評価基準
    ※『現代の歴史総合(歴総708)』『わたしたちの歴史(歴総709)』には10.ワークシート(5.授業用スライドに対応)も収録されます。
  • 指導者用デジタル教科書
    指導書付属データ集
    電子黒板やプロジェクター等でご利用いただく、指導者用のデジタル教科書(教材)と、iPadやChromebookなど、生徒一人ひとりの端末でご利用いただく学習者用のデジタル教科書がございます。紙面への書き込み、写真や地図・図表・グラフの拡大、動画再生などをご活用いただくことで、授業の幅が広がります。
  • 山川&二宮ICTライブラリ
    指導書付属データ集
    歴史・地理の教育コンテンツをオンラインで提供するための新しいサービスです。歴史の山川出版社と地理の二宮書店が、ICTを活用した授業をサポートいたします。
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    個人向け定額制コース ¥1,320/月(税込)